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3章 「永劫回帰 ―Ewig Wiederkehren―」
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――そうね、このあたりで休憩しましょう。
長編の歌劇には休息も必要よ。
結末を予想し、しばし談笑をいたしましょう。


可哀想な娘。本当に薄幸い娘。
あなたに用意された選択肢は、すべて悲劇にしか繋がらないのだから。


ある時は、魔女と呼ばれ、誰にも信じてもらえないまま命を絶たれ。
ある時は、故郷を追われ、行くあてもなくさまよい。
ある時は、貴族の花嫁に捧げられ、己をも異端と化してしまい。
またある時は、愛しい人たちが大切な人の手にかかり、いなくなってしまう。


まさに悲話としか言いようがない。
あなたの愛する陽だまりは、どの道にも用意されていない。
可哀想な娘。神に見放された不幸な娘。


――しかし、一番憐れなのは別のところだわ。


あなたは陽だまりを忘れられない。
繰り返される悲劇と、巻き戻される楽園。
一時のぬくもりなど、知らないほうが幸せだったでしょう。


私の言っている意味がわからない?
そうね、仕方ないわね。
だってあなたはいつもそうだもの。
理解していたら一縷の希望でも湧くというのに、これもまた輪廻の内なのね。


あなたの軌跡には重要な見落としがある。
あなたの記憶には重大な欠落がある。


よく思い出すことよ。
自分の過去を思い返し、辿った記憶と照らし合わせなさい。


親の顔も知らず、教会で育った あなた。 、、、 
両親と共に不自由なく育った あなた 、、、 

ねえ、どちらが本当のあなたなの――?


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